トレーニングシューズ vs. ランニングシューズ:どちらを履くべき?
自分に合った正しいシューズを履くことは、日々のワークアウトの効果を最大限に高めるための鍵となります。5K(5キロラン)に向けて最初の一歩を踏み出すときも、高強度インターバルトレーニング(HIIT)の最後の数分間で汗を流すときも、あるいはウエイトリフティングでさらに1〜2レップ多く持ち上げようとするときも、シューズはパフォーマンスを頂点へと引き上げるサポートをしてくれます。
一見すると似ているように思えるかもしれませんが、トレーニングシューズとランニングシューズの間には非常に大きな違いがあります。自分のフィットネスメニューや目標に最も適したタイプのシューズを選ぶことが、最高のパフォーマンスを発揮することにつながります。ここでは、トレーニングシューズとランニングシューズの違い、理想的な一足の選び方、そしてアスリートがワークアウトに応じてこれらをどのように使い分けているかを詳しく解説します。
トレーニングシューズとランニングシューズを分ける特徴
ランニングやトレーニングの目標に向かって進むために最適なシューズを決める際、考慮すべきいくつかの重要な特徴があります。
- クッショニングとヒールドロップ(かかととつま先の高低差)
ランニングシューズのクッショニングは、非常に柔らかいものから適度なものまで幅広く、多くの場合は独自の調合を施したフォーム素材が使用されています。クッションの量によってソールの厚み(スタックハイト)が決まり、これは9mmから40mm以上に及ぶこともあります。
反発力に優れた軽量なフォームは、着地時の衝撃を吸収し、特にコンクリートやアスファルトなどの硬い路面でのワークアウトにおいて脚を繰り返し加わる衝撃から保護するように設計されています。また、優れたエネルギーリターン(反発性)により、長距離を走り抜く体力を維持し、より速いスピードを達成するのにも役立ちます。
一方で、ヒールドロップはかかとを保護し、身体を前方に推進させる役割を持つため、ランニングシューズのドロップは一般的に6〜12mmと高めに設定されています。
これに対して、ほとんどのトレーニングシューズは、ヒールドロップとクッショニングを抑える代わりに、横方向のサポート力を高めて安定性を追求した設計になっています。このようなミニマリストな(無駄を削ぎ落とした)構造は、筋力トレーニングや自重トレーニング、さらにはジャンプスクワットやスケータージャンプといったプライオメトリック(瞬発力)系の動きを行う際に、優れた安定性とバランスをもたらします。
デメリットとしては、ランニングを組み合わせたクロストレーニングを行う場合、ランニングシューズほどの衝撃吸収性やエネルギーリターンを得られない点が挙げられます。 - ミッドソールの柔軟性と前足部
ランニングシューズの動画レビューを見たことがあるなら、レビュアーがシューズを曲げてミッドソールの柔軟性を示している場面を目にしたことがあるでしょう。このしなりが身体を前に押し出し、前足部を使ってかかとからつま先へのスムーズな重心移動を可能にします。
しかし、ランニング用のミッドソールは主に「前方」という一方向への動きに特化しているため、一般的にトレーニング用よりも柔軟性は低くなります。
トレーニングシューズのミッドソールは、多方向への複雑な動きをサポートするように設計されています。当然、前に走ることもできますが、そのダイナミックな柔軟性はクロストレーニングやHIITに最適であり、ジャンプしたり、左右に素早くステップを踏んだり(シャッフル)、つま先立ちで後ろに下がったりする動作をよりスムーズに行えるようにします。
また、クッションが少なめであることは、ウエイトを持ち上げたり敏捷性(アジリティ)を高めるドリルを行ったりする際に、ミッドソールが身体をしっかりと安定させる役割を果たします。
※シューズのタイプや行うエクササイズに関わらず、適切な荷重分散と快適性を得るためには、ご自身の土踏まずの形状(ニュートラル、ローアーチ、ハイアーチ)に合ったアーチサポートを備えたものを選ぶ必要があります。 - カーボンファイバー
カーボンファイバープレートやナイロンプレートの有無も考慮すべき要素の一つです。カーボンプレートテクノロジーは、エネルギーリターンと推進力を提供するように設計されており、スピードトレーニングやレースに非常に適しています。 - アウトソールのグリップ力
ランニングシューズは、直進時のグリップ力を高めるために、溝や浅い切り込みが入った軽量なラバーアウトソールを採用していることが多いです。多くのアウトソールはロードランニング(舗装路)やトラックでのワークアウト向けに調整されていますが、トレイルランニング用や、過酷な濡れた路面に対応するパターンもあります。
ランニングシューズのアウトソールが「効率性とスピード」を追求しているのに対し、トレーニングシューズのアウトソールはよりフラットで、「全方向へのグリップ力」を提供する設計になっています。このようなフラットなアウトソールは、バーベルスクワット、デッドリフト、ベントオーバーロウなどのリフティング動作中に、足元をしっかりと安定させて地面に固定するのに役立ちます。また、使用されているラバーの量も多く、芝生の上で重いスレッド(ソリ)を押したり、コート上で急な方向転換をしたりするような、突発的で激しい動きに耐えられるように設計されています。 - フィット感
まず、ご自身の現在の正確な足のサイズを把握しておきましょう。足のサイズは時とともに変化することがあります。しかし、シューズのフィット感は単なる数値上のサイズだけでは決まりません。つま先部分(トウボックス)は、指が快適に動き、自由に動かせるだけのスペースが必要ですが、ワークアウト中に足が中で滑ってしまうほど広すぎてはいけません。
ランニングシューズ、トレーニングシューズの双方において、かかとのホールド感や横幅がご自身の足の形にマッチし、足を締め付けることなくしっかりと固定される感覚があるものを選びましょう。
アスリートのための正しいシューズ選びガイド
長距離ランニングからウエイトリフティングまで、あらゆるメニューを完全にカバーできる万能な一足を見つけるのは簡単ではありません。基本的に、ランニングシューズは「一定の方向への前進運動」という一つのアクティビティのために作られています。しかし、走る距離や強度のレベルに応じて、自分に最適なスペックの組み合わせを選ぶことができます。
- デイリートレーナー(普段の練習用シューズ)
デイリートレーナーは、軽いランニングやロングラン向けに設計されています。(ここで言うロングランとは、ハーフマラソンやフルマラソン、あるいは普段の日常的な走行距離を超えるような長距離を指します。)これらのシチュエーションでは、快適性、効率性、そして耐久性を優先することが重要です。一般的に選ばれるランニングシューズは、優れたクッショニングとぴったりとしたフィット感を備え、ご自身のランニングフォームに適合しつつ推進力と適度なコントロールを生み出すヒールドロップやミッドソール構造を持ち、さまざまなコンディションや繰り返される衝撃に耐えられるアッパーとアウトソールを備えています。 - スタビリティ(安定性重視)シューズ
考慮すべき要素の一つに、着地時の足の傾き(接地パターン)があります。ご自身の足はニュートラル(正常)ですか、それともサピネーション(アンダープロネーション/甲が外側に傾く)やオーバープロネーション(甲が内側に倒れ込む)が起きていますか?もしオーバープロネーションの傾向があるなら、スタビリティシューズが効果的です。スタビリティシューズはミッドソール部分にサポート機能を備えており、オーバープロネーション気味のランナーがより健康的なフォームで走れるようアシストします。 - スーパーシューズ
スーパーシューズは、ミッドソール全体にカーボンプレートが搭載されていることが多く、ランナーに異次元の推進力を提供します。これらはフルマラソンなどの中長距離のレースに最も適しています。 - ジムでのワークアウト
トレーニングシューズとランニングシューズを比較する際、ジムでのパフォーマンスにおいて最も重要になるのが「多用途性(汎用性)」と「安定性」です。HIIT(高強度インターバルトレーニング)を行っている際、アスリートはバーピーやランジから、スレッドプル、メディシンボールスラムにいたるまで、あらゆるエクササイズをこなす必要があります。そのため、ジム用のシューズには、様々な角度からの動きに対応する柔軟性とサポート力、そして滑りを防いで最大限のグリップ力を発揮するアウトソールが求められます。 - 筋力トレーニング
筋力トレーニングは、より重い重量を扱い、ダイナミックな(大きな)動きは少なくなります。クッショニングが中程度から低めで、ヒールドロップが小さく、しっかりとした硬さのミッドソールを備えたトレーニングシューズは、バーベルスクワットやデッドリフトなどのリフティングにおいて、バランスの取れた強固な土台を提供します。プライオメトリクス(ジャンプトレーニング)においては、瞬発的なジャンプ動作に反応しつつ、ある程度の衝撃を吸収して膝や足首を保護できるシューズが必要です。 - ハイブリッドアスリート
有酸素運動と筋力トレーニングの両方に時間をバランスよく割く「ハイブリッドアスリート」というグループが近年増えています。もしご自身がハイブリッドアスリートである、あるいはそれを目指している場合は、双方のワークアウトをスムーズに行き来できるトレーニングシューズやクロストレーニングシューズを試してみてください。トレッドミルでのスプリントや横方向のシャッフルから、ブルガリアンスプリットスクワットへと移行する際、足首のサポートが追加されているモデルが非常に役立ちます。また、サポート力と耐久性に優れた素材で作られたアッパー、より安定したミッドソールと柔軟な前足部、そして多様な路面に対応できる多用途なアウトソールを備えたモデルを選ぶことで、パフォーマンスをさらに引き出すことができます。
自分のパフォーマンスを最大限に引き出してくれるランニングシューズやトレーニングシューズにようやく巡り会えたときの充実感は、何物にも代えがたいものです。
しかし、厳しい現実として、1回目や2回目の試着ではぴったりな一足に巡り会えないこともあります。さまざまなデザインを試し、フィットネスの目標をアップデートしていく中で、最も重要なのは、自分が最も強く、快適に、そして自信を持って動けるスペック(仕様)はどのようなものかを、自分自身で理解していくことです。