2025.07-01
“自分のシュート”を見つけろ『富永啓生選手 シューティングクリニック』開催
BASKETBALL

2025年5月18日。初夏の陽光がまぶしく降り注ぐ東京・有明アーバンスポーツパークで、一つの特別なバスケットボールクリニックが開催された。

コートに立ったのは、“和製ステフィン・カリー”の異名を持ち、カリーブランドの一員としても知られる富永啓生選手。NCAAディビジョン1での活躍を経て、アメリカの舞台でも存在感を放った日本屈指のシューターが、未来を担う高校生アスリートたちに向けて直接指導を行った。

本イベントは、アンダーアーマーが推進する社会貢献プロジェクト『1% FOR THE ATHLETES』の一環として開催された。会員プログラム「UAリワード」の売上の1%を、未来のアスリートの育成やスポーツ環境の向上に還元するという取り組みで、今回は“本気でバスケに打ち込む高校生12名”が選ばれ、クリニックが実現した。

「高校時代はとにかくシュートの数を打つことを意識しました」と参加者へ話した富永選手。練習を重ねた自信が試合での結果にも現れる。

会場には、都内および近郊から男女の有望選手たちが集結。期待と緊張が入り混じるなか、富永選手は、自身の高校時代を振り返りながら、参加者に語りかけた。

「高校生の時期は、とにかくシュートの数を打つことを意識していました。それも、ただのキャッチ&シュートではなくてフェイダウェイやプルアップなど試合で使えるシュートを沢山打っていました。シュートは手だけじゃなくて、脚や体を連動させることが重要なので、今日のクリニックではそこを意識してみてください」

約90分にわたるクリニックでは、参加者からの質問にも応じながら、シュート時のボールの回転や、フリーでもらう際の動き、ドリブルからのステップバックなど、すぐに実践で使える技術を丁寧に指導。一人ひとりのプレーを細かく観察しながら、必要に応じて褒め、励まし、身振りを交えて伝える富永選手の姿があった。

「今のフォーム、すごくいい。でも、リリースのとき少し前のめりになってるから、もう少し後ろ体重を意識してみて」

「ボールを受ける前から相手との駆け引きは始まっている。動きを見ながら対応できれば、選択肢が広がるよ」

言葉はシンプルでも、その背後にある経験と技術の重みが、確かに選手たちの心に届いていた。。時間が進むにつれ緊張がほぐれ、後半にはシュートが次々とリングを射抜き始める。理解と手応えが空間に満ちていく感覚は、この距離感だからこそ生まれたものだった。

高校生一人一人に対して、フォームの確認や悩みを直接聞きながらアドバイスを送った。

参加した男子生徒のひとりは、こう振り返る。

「本当に丁寧に教えてくださって、今までにない貴重な経験ができました。自分のシュートの回転について質問したときも、すごく丁寧に答えてくださって、それを意識して打ってみたら、本当にシュートが入るようになって驚きました。教えてもらったことを忘れずに、自分のチームでも今日の学びを活かしていきたいです。将来は、身長が小さくてもNBAを目指せることを、自分が証明できるような選手になりたいです」

ある女子選手もまた、課題を抱えてこの場に臨んでいた。

「今日は参加できるのがすごく楽しみでした。最近、シュートがなかなか決まらなくて悩んでいたので、フォームを見直すきっかけにしたかったし、富永選手が普段どんなことを意識しているのかを直接聞けるのをずっと楽しみにしていました。動画では分からないような細かい部分まで見られて、本当に貴重な時間になりました」

彼女はプレースタイルの目標も明確に描いていた。

「将来は、身長が低くても外からのシュートを確実に決められる選手になりたいです。相手に“打たせたくない”と思わせるような存在に。そして、体格に頼らず、ドライブで引きつけてアシストにつなげるようなプレーも増やしていきたいです」

富永選手は、次世代の選手へのクリニックを振り返って「普段教えることがないので、自分自身の勉強にもなった」と語った。

真剣な眼差しに富永選手も最後まで全力で応え、終了時にはこんなメッセージを贈った。

「とにかく、自分のプレーに自信を持ってほしい。それが一番の成長につながると思うし、常に“もっと上手くなりたい”という気持ちを持っていれば、必ず上達を実感できるはずです。今はまだ体も発展途上で、フォームが固まっていない時期かもしれませんが、いかに早く“自分のシュート”を見つけて、それを磨いていけるかがすごく大事。それができれば、周りと差をつけることができると思います」

自らが培ってきた技術と信念を、次の世代へ手渡す――。それは、単なるスキルの伝達を超え、心に深く刻まれる経験となったはずだ。12人の高校生たちは、それぞれの目標を胸に、この日の学びを糧にコートへと戻っていく。

クリニック終了後もサインや記念撮影などで参加者と交流した富永選手。ただのスキルを伝える場所ではなく、経験としてこれからの選手の成長につながるはずだ。

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