2024.11-07
トレーニング効果を最大限に引き出す『リカバリーのすすめ』
TRAINING

自分のパフォーマンスを高めたい、健康でいたい、ダイエットがしたい。トレーニングをする目的は人それぞれだが、ただがむしゃらにトレーニングをしても効果を最大化することはできない。トレーニングと同じぐらい重要なのが「リカバリー」だ。

今回は、アスリートからスポーツ愛好家まであらゆる人のパフォーマンスアップに特化したジム「DAH」のリカバリースペシャリストの齋藤学氏に「リカバリーの重要性」について聞いた。

リカバリーはトレーニングの効果を最大化させる

トレーニングの後には「リカバリー」が欠かせません。運動は筋力や体力を高めるために必要ですが、同時に疲労などのマイナス要素も蓄積します。そのマイナス要素を取り除き、ゼロの状態、つまり本来の自分の力を発揮できる状態に戻すことが、リカバリーの目的です。

人には一日24時間という時間が平等にありますが、トレーニング以外の時間をどう過ごすかが、リカバリーの効果を決定づけます。例えば、食事や睡眠をおろそかにすると回復できず、トレーニングで得たい成果が半減するばかりか、無理に動かして怪我につながるリスクも増します。リカバリーは、トレーニングの成果を最大限に引き出すための重要な要素なのです。

 

筋肉は休ませることで成長する

皆さんは「超回復」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

トレーニングを行うと、一時的に筋肉が疲労して筋肉痛が生じたり、ハードなウエイトトレーニングの直後に力が入りにくくなることがあります。これはトレーニングによって筋繊維が一時的に傷つき、エネルギーが消耗されるためです。しかし、筋肉にはこの状態から回復する過程で、トレーニング前よりも強くなるという特性があります。この「超回復」には、しっかりと栄養を摂り、質の高い睡眠をとることが必要です。睡眠をしっかり取ることで成長ホルモンの分泌が促され、筋肉が元の状態よりも強化されるのです。人はリカバリーしている時に強くなります。

また、トレーニング後に「筋肉の張り」を感じたことがある方も多いと思います。その張りは放っておいてもある程度は元に戻りますが、張りが残ったまま次のトレーニングに臨むと、柔軟性が損なわれていきます。これが続くと可動性や可動域の低下、怪我につながりやすくなります。そのため、トレーニング後にはしっかりとケアを行い、適度な柔軟性を保つことが大切です。

クールダウンではリラックスすることを意識する

リカバリーには、主に食事、睡眠、セルフケアの3つが重要です。セルフケアはトレーニング前、後で目的が異なりますが、特にトレーニング後のケアは、翌日より良いコンディションでむかえるための準備となります。

トレーニング後のリカバリーの第一歩は「クールダウン」です。クールダウンの方法としては、まずストレッチを行い、次にマッサージガンなどの道具を使って筋肉をほぐしていきます。これにより血流が促進され、疲労物質の除去がスムーズになります。また、トレーニング中は自然と気が張るため、クールダウンの時間には意識してリラックスするように心がけましょう。仲間と軽く話しながらでも良いですし、自分の緊張を解き放つことも大切です。

トレーニングに励む全ての人にとって、リカバリーは単なる休息ではなく、身体を強くし、トレーニング効果を最大化するための「準備」なのです。

 

セルフケアに最適な「マッサージガン」を上手に使いこなすポイント

マッサージガンは、筋肉をほぐすセルフケアにとても役立つアイテムです。使うときは、リラックスした状態で行うことが肝心です。緊張したまま筋肉に刺激を与えると、筋肉が反応して逆に力が抜けてしまうことがあります。そのため、ケアしたい部位の力をしっかり抜き、リラックスした状態でマッサージガンを当てるようにしましょう。ただし、使いすぎには注意が必要です。疲労がたまっている部位を中心にケアし、軽くなった感覚が得られたらそれで十分です。

また、マッサージガンには様々な形状のアタッチメントが付いていることが多く、それぞれに適した部位で使うのも重要です。例えば、首の近くをケアする際は先端が柔らかいものを選び、背中にはU字型のアタッチメントを使うのもおすすめです。大きな筋肉には大きなアタッチメント、小さな筋肉には細い先端のものを使うと良いでしょう。

ほとんどのマッサージガンは振動の強さも調整できますが、痛みを感じない程度の強さで行うことがポイントです。また、体に対してはできるだけ垂直に当てるようにしましょう。自分では手が届かない部分は、家族やトレーニングパートナーに頼んでみてください。セルフケアがコミュニケーションの場にもなり、一石二鳥です。

1枚目:施術の様子 2枚目:施術前 3枚目:施術後

マッサージガンによる施術の前後で可動域が大きく変化しているのが分かる

栄養は運動後30分以内のゴールデンタイムに

適切な食事と生活習慣は、リカバリーにおいて非常に重要な要素です。特に、運動後30分以内の「ゴールデンタイム」に、炭水化物やタンパク質、アミノ酸を補給することが大切です。また、水分補給も忘れずに行いましょう。運動で失われた水分を早めに補うことで、脱水症状や体調不良を防げます。

日常の食事でも栄養バランスを意識することが欠かせません。主食としての炭水化物に加え、魚や肉、大豆製品からタンパク質を摂り、野菜や果物、乳製品からビタミン・ミネラルを補いましょう。不足しがちな栄養素はサプリメントで補うことも可能ですが、あくまでも補助的な役割ですので、日々の食事をメインに考え、欠食しないよう心がけてください。

睡眠の質を高めるためには、就寝前に体を冷やさない工夫や、就寝直前はスマートフォンやテレビの画面を見ない事も効果的です。季節に応じた布団や部屋の温度調整も大切です。寒い季節には布団で体を温め、エアコンを使用する際は適切な設定温度を維持するよう心がけましょう。一般的には、睡眠時間は7時間以上が理想とされています。就寝前に軽いストレッチを行うことでリラックスした状態になり、より良い睡眠を得ることができるでしょう。

トレーニングと同じぐらいリカバリーは重要です。これらのことを意識して、より効果的なトレーニングを行ってください。

もし、運動時に痛みを伴う場合などは、無理せず医師やDAHリカバリールームのような専門家にご相談ください。運動という素晴らしい習慣を、痛みで継続できなくなる事がないようにしてほしいと思います。

齋藤 学 Manabu Saito

アスリートからスポーツ愛好家まであらゆる人のパフォーマンスアップに特化したジム「DAH」のリカバリースペシャリスト、鍼灸按摩マッサージ指圧師。
痛みや不定愁訴の原因を追究し、プロアスリートから老若男女問わず多くの方のリカバリー、治療に携わる。

今回ご紹介したトレーニング後のリカバリーに最適なMYTREXおすすめモデル

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